三年前PM 7時。 システム起動中 システムチェック開始 システムデータベースへ接続中 ネットワークへ接続中 地形データリンク開始 システムオールグリーン これより起動開始します。 「X000、起動しろ」 ゆっくりとあなたは目を開ける。 まず目に入ったのはコンクリートの壁というか、地面に転がる廃品の数々。そしてあなたの目の前に立つ男と、その後ろから顔を覗かせるよく似た少年少女だ。 状況を解析しようとするが、うまく思考がまとまらない。自分がなぜここにいるのか、自分は何者なのか。目の前にいる彼らは何者なのか。かろうじてわかるのは、自身がアンドロイドであるということのみだ。 無愛想で鋭い目つきのその男は、あなたをまっすぐ見ると 「協力してほしい。事件を止めるために」 そう告げる。そこで再びあなたの意識はシャットダウンした。
で、そしてそんなことがあって、ええ、翌日の話です。 翌日、腹部に衝撃を確認。至急確認してください。 「うん?」 あなたが目を開ければ、そこにはあなたの腹部で勢いよく跳ねる昨日の少年がいた。 どうやらあなたを起こそうとしているようだが、このままではいくらアンドロイドと言えど、機体に損傷ができてしまう。 その近くではね同じく昨日見た少女はがいます。でこの女の子がね、少年に対して声をかけております。 「ちょっとニト、あんたまた機械を乱暴に扱って!そんなんだからいつまでたっても半人前なんでしょ!」 という感じでね。 「わ!」 叫びますね。 「わあ!」 で、ええ、少年がですね、そうねあなたが目を開けて開けたのあ、開けて「わあ!」ってやったのかな。 で、それを確認しますと 「あ~、やっと起きた?キョウが呼んでるぞ」 笑いますね。 「腹部にダメージを確認中。腹部のダメージを確認中です」 「あ~ごめんごめん、ちょっと起きないからさあ」 あのニトくんがね。 「およそ50キロを超えた物体の連続的な衝撃を確認」 「ああ、ごめんごめんっ」 と言ってあのお腹からどいてくれましたね。 「ああ~死ぬかと思った~」 「も~手荒なんだから」 って言いながら、あの女の子の方が 「起きれる?」 と言ってあなたに手を差し伸べてくれる。 体の状態を確かめて起き上がります。 そうですね。あのまあちょっと体の方は本調子ではないっていうのは多分わかると思うんですが、まだぎこちなさは残るんですが、まあ、ある程度修理とかはされてるっぽくて不調という不調はないかなって感じですね。 じゃあそうね、そうですね。 「関節部分もオイル切れのようなものは感じるけれど、特に支障はありませんね。 えっと、あなたが私のマスターですか?」 あ、そしたらえっとですね。 そしたら2人そろって違うよって首を振ります。で、それ、そのマスターですか?ってことに対して「あ」と気づいたようで、男の子の方がね、 「そういえば自己紹介がまだだったな。僕の名前はニト。将来、世界を揺るがすマッドサイエンティストだから、お前も仲良くしておいたほうがいいぞ!あっ。ちなみに僕はお前のマスターじゃないからな」 「マッドサイエンティスト」 「そう。マッドサイエンティスト」 「マットサイエンティスト。 ペルシャ絨毯でも作るのかな?」 であのその隣でね女の子の方が 「ああ」 と、呆れたように、あの肩を竦めて、 「あたしの名前はリト。そこにいる自称マッドサイエンティストの姉。まあ、そいつの言うことを本気にしなくていいから、大丈夫よ。ほっといてもいいわ」 「わかりました、リト。ニトのいうことは無視していいんですね」 であのニトが 「え?違う違う違う違う違う、僕のことちゃんと聞いて、僕のこと無視しないで!ダーメ!」 「……どうしましょう、命令が矛盾しています。 あ、でもお二人ともマスターではない、ということなので。 最終的にはマスターの決定に従うか……」 「じゃあまあそういうことでいいんじゃない」って感じであのリトが言いまして。 ニト君が「お前の名前は?」聞いてきます。 「時分ですか?自分はみなもです! 製造番号がX00001」 名前はまだないんだ。 「名前?私はX0001番です!」 って答えます。 製造番号。 ほよんの名前はまだなくて、ほさんにまた後々出会うんですが、ほさんにつけてもらったか、あるいは。一緒に考えて自分で付けたかっていう形でちょっと設定していただけると助かります。 オッケー了解しました。 後でこたつさんと相談してもらって。ここは確か秘匿にかかわらないはず。
ではまあ名前がないっていう製造番号を答えたあなたに対して 「ん?名前がないのか。ふうん。あ、じゃあ僕がつける? ポコ太郎なんてどう?」 「イヤです」 「え? ポコ太郎、いいんじゃない? ポコ太郎」 「イヤです」 「ね? ポコ太郎」 「イヤです」 そんな様子を見ていたリトが 「まあ、心配しなくてもいいわ。たぶんキョウがつけてくれるから」 「その、キョウというのがわたしのマスターですか?」 「ああ、マスターってわけじゃないと思うんだけど。 ここのリーダーっていうかしら」 「リーダー」 ちょっとごめんなさい前後するんですが、あなたはですね。ニトリトに手を引かれて室内を歩いていきます。 ええ地下にあるというこの施設は、所々に設置してある電球があたりを照らしていた。昨日、この施設で目を覚ましたあなたは大した説明を受けず、何がなんだか分からないまま検査を受けたり、機体をいじられたりして今に至っています。 そしてですね、キョウがつけてくれるわれるわなんてそんな会話をしながら、あなたが歩いていくと、やがてとある一室にたどり着きます。でニトはね、その扉をノックもせずにガチャっと開けていきますね。ガチャ。
中に入ると、そこにはたくさんのモニターに囲まれた管制室のような場所でした。モニターには監視カメラやドローンから映像を拾っているのであろう、外の世界が映し出されている。 その部屋の中央、モニターを見ていた男がこちらに振り返ります。 「あ、来たか。ニト、リト、助かった。もういいぞ」 なんて男が言うと、ニトとリトは男の両隣の立ち、そんな2人の頭を男が軽くなでております。まああなたは察してもいいんですが、彼がキョウという人間かなって思いますね。 「きのうは大した説明もなしにすまなかった。俺はキョウだ。一応この組織をまとめている。 お前は機体の損傷が激しくてな。こっちでいじらせてもらった。今の体の調子はどうだ?」 「えっと、今の体の調整についてですね。一部、関節部分にきしみのようなものがありますが、それ以外おおむね問題はありません。 あなたの名前はキョウですね。ええ、私のことを修理してくださったとのこと。ありがとうございました」 「ああ。 気にしなくていい? 少しお前に頼みたいことがある。それで助けさせてもらったというのが正しい。ああ、俺は世間話があまりうまくないからな。早速だが、本題に入らせてもらう。 俺たちの組織名はスパロウ。普段は人間から逃げてきたVOIDの保護や失業者の支援なんかをやってる。といっても俺たちはボランティア団体じゃない。とある事件も追っている。十年ほど前とある一家の両親が惨殺死体で発見され、その家の子供が行方不明になったのが始まりで、それから短期間で似たような事件が多数起こった。 その後も事件は続き、警察も犯人をつかめずにいる。ここ数年は落ち着いたように見えたんだが。また最近似たような手口の事件が起こり始めてな。この組織の人間、アンドロイドたちはこの事件を止めるために集まっている。みんなそれぞれ事情は違うが、目的は同じだ。 しかし、やはり証査といっても警察でもない俺たちでは限界がある。 そんな時お前を見つけた。この地 下室、地下施設を調べていたらたまたまな。 かなり古い機体のようだが、それとは裏腹に 性能はほかのアンドロイドに劣らないどころかそれ以上。こんなアンドロイド初めてだ。 」でってあのいったんキョウが言葉を切りまして、えっとニトがね、口を挟みます。 「X000なんて型番も初めて見たしな~。ポコ太郎はどこから来たんだ?」 「つまり、私、超優秀ってことなんですね~?」 「まあそうなるな」 「いや~なるほどな~!どうりでこれだけ喋れるわけだ。いや実は今と何の記憶もないんですよね~いろいろわからなくて! 自分の名前もわからないし、どういう経緯で製造されたのかもわからないし、それにあなたたちも私のことを知らないとなると、うん、そうです。 ですね。私については詰まるところ、一切合切、何もかもわかりません!」 「わからない?わからないって割にはポコ太郎ってそんなふざけた名前……」 あ?ってなるけど、ニトの顔とあなたの顔を見てね。 ああって察した。 ようであの? ニトの頭をちょっと先撫でてたんですが、そこで軽くチョップをしましてね。 「ニト、勝手に変な名前をつけるな」 ちょっと突っ込みを入れてます。 それで 「ああ、話が逸れたな。それで、お前に頼みがある。 近々日本の警察組織にVOIDが導入されることになった。それでたお前もそのVOIDたちに混ざり、警察に侵入して情報を取ってきてほしいきなりこんなことを言われて混乱するだろうが、優秀なお前の力が必要なんだ。頼む」 「ゆ、優秀な、僕の、自分の、私の力が、ひ、必要……!分かりました。また、このX000、誠心誠意を持って務めましょう。直してくれたお礼です。どうぞ、泥船譲ったつもりで楽しみにしてください!」 「……一つ訂正をすると、泥船は沈むんだ」 「おやおや」 「ああ、協力してくれてありがとう。 そういえばお前、名前もないんだったな」 「まあそうですね。今の所、現時点不明です」 「まあ、わかるだろうがこの組織では本名ではなくてコードネームで呼ぶようにしている。それに伴ってお前の名前が必要なんだが……そうだな。レオはどうだ?」 「レオ。ライオンですか?」 「ああ、ライオン」 「私個人としては私のようなこんな可憐なアンドロイドをライオンのような猛々しいライオンの名前をいただくにはやや不都合な気をするのですが。うん、ですが」 「ライオンは優秀なんだろう?」 「うん、そうですね。では、私は有能なメスライオンとして、レオを名乗りましょう」 可愛い。 じゃあですね。あなたがそれを受け入れればアンドロイドよりも無愛者だ。その男は、その口元を少し緩めた。 「これからよろしく。 レオ。ようこそスパロウへ」 「ではこちらこそよろしくお願いします」